paperChartマニュアル一般的な使い方

一般的な使い方:各部の名称と機能

paperChart
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 各部の名称

この麻酔記録システムのメイン画面です。BIN\NV.exe を起動すると、この画面が表示されます。

A:バイタルサイン欄

血圧や心拍数などハートモニタなどの機器から自動的に取り込んだデータをグラフ表示します。この面にマウスポインタを放置すると、その時刻のデータを数値で表示します。また、この面でマウス左ボタンをダブルクリックすると、その時刻の波形を表示するウィンドウが開きます (波形表示は Philips:IntelliVue と GE DatexOhmeda:S/5 のみでサポートします)

B:警報欄

ハートモニタからの警報データを色分け(赤,黄,青)表示します。色分け表示のところへマウスポインタを放置すると警報メッセージの文章を表示します。

C:薬剤濃度予測欄

Eの薬剤欄に入力された情報から薬剤の効果器/血中濃度予測のグラフを表示します。縦軸は対数目盛です。体重、身長などは患者情報として入力された情報を使用します。一番上の画面図には表示されていませんが、薬剤濃度予測欄の右欄外に減衰曲線を表示します。これは現在の持続投与を停止したと仮定した濃度予測曲線を描きます。時間幅はこのグラフ面をクリックすることで30,60,120 分を切り替え可能です。右端の小三角は現在の持続投与速度を続けた場合に到達する濃度を表します。
この面にマウスポインタを放置すると各薬剤の各コンパートメント濃度を数値表示します。減衰曲線部分に放置するとその時点の濃度を、三角マーク部分に放置すると持続投与を続けた場合の濃度を表示します。当然の事ですが、持続投与が行われていない(ボーラス投与のみ)場合は減衰曲線の右端と三角マークの濃度は一致します。予測計算式の変更や表示コンパートメントの設定は、この後の「表示メニュー」の「濃度予測設定」をお読みください。

D:記号欄

手術開始:◎ 挿管:T 硬麻穿刺:Ep などの記号を表示します。ここへマウスポインタを放置すると各記号に付随するデータ(たとえば挿管ならチューブの種類や太さ、硬麻穿刺なら穿刺部位や針の深さなど)を表示します。 画面右側に並んでいる記号ボタンを押すと現在時刻(バイタルサインが表示されている一番右端の時刻)に、その記号が入力されます。あるいは記号欄内でマウスを右クリックすると記号一覧のメニューが表示されますので、記号を選んでください。マウス位置の時刻に記号が入力されます。

E:薬剤欄

使用した薬剤をここに表示します。Eのタブを操作して薬剤入力ボタンを表示させて、それをクリックすると現在時刻に当該薬剤を入力することができますし、薬剤入力ボタンを薬剤欄内の好きな時刻のところまでドラッグして入力することもできます。薬剤は種類が多く薬剤タブだけでは表示し切れませんので、薬剤欄内でマウス右クリックしてください。メニュー選択で薬剤入力できます。
投与経路(末梢や中心静脈など)を指定した薬剤入力は、その経路の欄でマウス右クリックメニューを出してください。それ以外の場合は右クリックした欄に薬剤が記載されるとは限りません。どの欄に記載するかはコンピュータが決めます。薬剤の種類が増えすぎて、欄の数が足りなくなった場合も詰め合わせの順序はコンピュータが決めます。一度使用した薬剤は、その欄を左クリックすると薬剤メニューの表示なしに投与量入力画面が出ます。

F:輸液ルート

ここでマウスを右クリックすると輸液ルート名の一覧メニューが出ます。名前を選択してください。あるいはメニューの一番下に「削除」があります。ルート名を上下にドラッグして表示位置を入れ替えることもできます。

G:表示切替タブ

「記号」、「薬剤」のほか、「属性」は患者名、年齢、入退出時バイタル、輸液量など、「コメント」は気管チューブ太さや硬麻穿刺位置などの「記号に付けられた情報」や薬剤欄に書ききれなかった薬剤合計などを表示します。属性とコメントは文字の表示のみで、押しボタン等はありません。

H:記号ボタン

モニタ(データ記録)中のデータを開いたときは、このボタンが立体的に浮き出たように表示され、これらを操作することができます。薬剤タブのボタンに関しても同様です。現在モニタ中のデータを他の端末で開いたときは、内容をリアルタイムで見ることはできますが、他の端末から記号や薬剤を操作することはできません。いったん記録を終えてしまった症例データは他の端末から記号、薬剤とも変更できます。(後述の「変更履歴」参照)

I:左右スクロールバー

表示の左右(時刻)スクロール用です。あるいはバイタルサイン欄をマウス左ボタンで左右にドラッグしてスクロールすることもできます。

J:動作ボタン

  • モニタ開始: ハートモニタからのデータ記録を開始します。本ソフトはデータ記録を開始してから患者名や生年月日などの患者属性データを入力します。モニタ開始前にあらかじめ患者属性データを登録しておく必要はありません。緊急入室時にも「呼吸の止まった患者を前にして属性データ入力…」する必要はありません。ハートモニタを接続して「モニタ開始」してください。患者属性データは麻酔が一段落してから入れてください。
  • モニタ再開: パソコンや USB-HUB が電気メスのノイズ等でフリーズしたときに、パソコンの電源を一旦切って再起動しした後などに、これで記録を再開します。あるいは退室直後の出戻り(出血、呼吸停止など)の記録再開(継続)にもご使用ください。
  • モニタ停止: ハートモニタとの通信を終了し、他の端末からの記録内容変更ができるようにします。
  • 開く: 症例のファイルを開きます。現在モニタ中(麻酔中)の症例を開いたときは、リアルタイムで画面のデータが更新されます。
  • 検査入力: 血液検査結果を手入力するためのものです。
  • チャート印刷: 麻酔チャートのレイアウトで印刷します。麻酔中(ハートモニタからのデータ収集中)でも、チャート印刷、画面印刷とも可能です。
  • 患者情報: 患者属性情報や術名、科名、主治医名などを入力します。「モニタ開始」してからご使用ください
  • 予定表: 週間予定表から患者属性情報などを取り込みます。これも「モニタ開始」してからご使用ください。
  • 終了: 本アプリケーションを終了します。「モニタ開始」した後、「モニタ停止」せずに「終了」した場合も、データは正常に保存されます。

K:ズームボタン

幅広四角は横幅(時間軸)拡大、狭四角は横幅縮小です。また、バイタルサイン欄でマウスホイールを手前に回すと拡大、向こうへ回すと縮小です。5段階可変です。

動脈圧フラッシュやゼロ点校正などのアーチファクトの除去について


例として、上の図の灰色線は観血圧波形、赤点は5秒ごとにハートモニタから送られてくる平均血圧値です。
(このお話は収縮期血圧/拡張期血圧/平均血圧それぞれについての“最高値や最低値、平均値”の話です。)
データは20秒毎(データの受信タイミングにもよるが、おおよそ4点づつ)の区間平均を用います。

paperChart はこのデータから、ある区間の“収縮期血圧の最低値”などという値を算出します。“最高値”は20 秒毎の区間平均の最高値を、また“最低値”は20秒毎の区間平均の最低値を算出します。平均値は単純に指定された時刻区間内の各赤点の平均値です。 ただし、それぞれの区間の両側20秒間も加えた合計60秒間の平均値の上30%または下50%の範囲から逸脱した値(A)を含む20秒区間(B)のデータは計算から除外します。この方法では圧波形の鈍りによる不正確な計測値や加圧バッグ内圧の低下によるダラダラフラッシュの影響を除外することはできません。圧ラインフラッシュは高圧で短時間に行ってください。ゼロ点校正も10~20秒以内でお願いします。圧ラインを使用しないときはトランスデューサとハートモニタの間の電線をはずしてください。そうしないと「血圧ゼロ」という値が麻酔記録に持続的に送られてしまいます。

 文書の著作権について

マニュアルカテゴリーの本記事の内容については、越川先生のお作りになられたpaperChartマニュアルをPDFの媒体からwebへ記述変更させていただいているため、本記事内文書の著作権は越川先生にあります。
詳しくはこちらにも記載しています⇒https://gabunomi.info/pdf_manual/
(出典元:paperChart.net)

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