paperChartマニュアル一般的な使い方

一般的な使い方①:ファイルメニュー

paperChart
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(NV.exe 画面上縁の)メニューの順に説明します。
 

 ファイルメニュー

 モニタ開始(新規)

前記の「モニタ開始」ボタンと同じです。
新規に症例ファイルを作成し、データ収集を開始します。押しボタンが凸になっているとき、あるいはメニューが黒文字(薄影ではない)のときは「開始」できます。押しボタンが凹になっているときは既にデータ収集は開始されています。押しボタンが平面のときは、そのウィンドウから「開始」することはできません。他のウィンドウで既に「開始」されているか、そのパソコンにデータ収集モジュールが存在しません(手術室外の「見るだけ」の端末の場合など)。
paperChartパッケージをダウンロードした状態ではデモ用のダミーのデータ発生モジュールが起動します。
ハートモニタと接続するためには設定ファイルを書き換える必要がありますが、書き換える方法は接続するハートモニタの機種によって異なりますので、接続方法.pdf をご覧ください。

 モニタ再開(追記)

前記の「モニタ再開」ボタンと同じです。
一旦終了したデータ収集を再開します。最後にそのパソコンでデータ収集した症例ファイルに追記する形でデータ収集を開始します。新しい症例ファイルは作られません。麻酔中にパソコンが故障して入れ替えたときやリカバリで記録を続行したいときにお使いください。データ収集を終了して30分以上経った症例ファイルに「モニタ再開」して追記することはできません。
ネットワーク接続されている場合、つまり、dircnf.txt の data_directory が \\ で始まっている(host 名で始まっている場合は、「モニタ再開」でダイアログ画面が表示されます。その画面には(他室も含めた)過去30分以内にモニタ終了した症例が表示されます。ここからモニタ記録を再開する症例を選んでください。

 モニタ停止(保存)

前記の「モニタ停止」ボタンと同じです。
現在記録し続けているデータ収集を終了します。押しボタンが凸になっているとき、あるいはメニューが黒文字のときは、データ収集中です。「停止」できます。押しボタンが平面のときは、データ収集はまだ開始されていません。したがって停止もできません。このボタンではNV.exe自体は終了しません。

 開く

前記の「開く」ボタンと同じです。症例を選択するためのダイアログ画面が表示されます。

 上書き保存

モニタ停止(データ収集終了)した後、薬剤や記号のデータに変更を加えた場合は、「上書き保存」で書き戻してください。上書き保存するたびに「編集」メニューの「変更履歴」が付け加えられます。詳しくは変更履歴の項をご覧ください。現在モニタ中(データ収集中)の症例は「モニタ停止」と同時に上書き保存されますので、あらためて「上書き保存」する必要はありません。また、現在モニタ中の症例の記号や薬剤に対して、他の部屋(他の端末)から変更を加えることはできません。モニタ停止後は、どの端末からでも変更が可能です。

注意: 一つの症例を複数の端末から同時に開けないようなデータ保護措置は特に取ってはいません。モニタ停止後の症例データに、ある端末から変更を加えた場合、同時にその症例データを開いている他の端末に変更が反映されるまで1~2分程度の時間差があります。複数端末から一つの症例に対して、並行して変更を加えた場合、症例データ自体に変更が反映されない(加えた変更が他の端末からの古いデータで上書きされる)こともあります。ご注意ください。

 プリンタの設定

プリンタの種類を選択してください。用紙の縦横は画面設定ファイルでの縦横の比率で強制的に決定されます。ここで用紙の縦横を選択しても無視します。なお、印刷出力先としてAdobe Acrobat Distiller(PDF 文書ファイル)を選択された時の印刷条件の設定は、各施設の麻酔チャートのレイアウトに合わせて試行錯誤してください。印字品質はDistillerの設定で、かなり変わるようです。

 チャート印刷とスクリーン印刷

チャート印刷でもスクリーン印刷でも、このページ選択画面が表示されます。数字はページ先頭の”日/時:分”とページ末尾の”時:分”です。行頭にチェックの付いているページを印刷します。不要なページはマウス左クリックでチェックをはずしてください。チャート印刷は設定ファイルで指定された書式と時間幅で印刷します。設定方法は設定ファイルの書き方.pdf をお読みください。スクリーン印刷は現在の画面表示の書式と時間幅で印刷します。
一度印刷したページはチェックが外れます。再度印刷するときは手でチェックを入れてください。

印刷のレイアウトには以下の2種類があります

選択はお手軽セットアップ(KickStart)画面の「サマリを2ページ版にする」にチェックボックスで設定してください。
サマリーとはバイタルサインや薬剤記録のページ(手術時間に応じて複数ページになる)に引き続いて印刷される1ページまたは2ページの要約(手書きチャートの裏面に相当)です。

サマリー(科名、術者名、病名、術名など)画面には、術中に入力されたコメントを1枚に併記する場合(左図の左側1ページ)と、コメントを別ページにする場合(左図の右側2ページ)を選択できます。コメントをたくさんお書きになる施設では後者(サマリページは計2枚になります) をお勧めします。
両者の違いはコメント欄の幅が1欄か4欄かだけです。印刷内容に違いはありません。

 一般情報とインシデント

患者属性(姓名、ID、生年月日)や科名、術名などを記入するウィンドウを出します。記載項目や選択肢、選択メニュー項目は設定ファイルで決めています。「術者」などの右端の「▽」ボタンを押すと、それに関連したメニューが表示されます。データの記載はモニタ開始してから行ってください。paperChartソフトは市販ソフトと異なり、モニタ開始前に患者属性を入力する必要はありません。麻酔導入が一段落してから入力してください。さらに患者属性を入力しなくてもモニタ停止できます。患者属性や科名、術名などはモニタ停止後、他の端末から開いて入力(あるいは変更)できますが、その際には最初の「開く」画面の症例リストでモニタ開始時刻しか表示されません。ご注意ください。入力後は患者名やIDは表示されます。

メニューファイルはADMフォルダに入れてあります。人名は当院のものを仮に入れています。最初にメモ帳アプリで一括編集なさることをお勧めします。一括編集の方法は、「メニューファイルの書き方.pdf」をお読みください。

術名と病名はキーワード検索機能つきの文字入力です。いくつかのキーワードを全角空白または半角空白で区切って入力してから、「▼」ボタンを押してください。候補が表示されますので、その中から選んでください。
例えば「膵 管」と入力して「▼」を押すと”膵管癌”や”膵内胆管癌”などの「膵」と「管」を含む病名が表示されます。「膵管」 と空白なしで続けて入力すると”膵管癌”は表示されますが”膵内胆管癌”は「膵」と「管」が連続していないので表示されません。キーワードは「すい」や「かん」など仮名も使えます。 「▼」を使わず、普通の文字入力もできます。
病名と術名はhttp://www.medis.or.jp/4_hyojyun/medis-master/index.htmlから取って来ましたが、読み方が変です。例えば”頭蓋”に”とうがい”という読みが付いていたり、”(指)”が”(し)”だったりします。paperChartソフトを配布する段階では病名の左側にICD10コード、術名の左側に診療報酬請求番号が付いています。JSA麻酔台帳対策です。これは各施設で院内独自のコードに差し替えていただいても構いません。JSA台帳へデータを送るのでなければ必要ありません。

入力項目や窓のサイズを変更するときはCONF\dmgcnf.txtのdemographs節やincidents節を適当に書き換えてください。書き方は「設定ファイルの書き方.pdf」をご覧ください。

インシデントはJSA麻酔台帳のインシデント原因分析項目です。一応麻酔記録画面からも設定できるようにしていますが、麻酔記録は他科の医師や看護師も見ます。データをJSA麻酔台帳システムに送ってから、そちらで記入なさることをお勧めします。メニューの選択肢の文頭に”1:”や”a:”などといった文字が付いていることがありますが、これはJSA麻酔台帳システムで決められた分類記号です。JSA麻酔台帳へデータを転送する際に必要です。

 JSA転送

JSA麻酔台帳へデータを転送するためにJSA麻酔台帳用データファイル(XML 形式)を作り、保存します。保存先フォルダは各施設で決めてください。保存(転送)するたびに転送日時と転送先の記録が残されます。詳しくは「電カルとJSA台帳対応.pdf」をお読みください。原則としてJSA麻酔台帳用データファイルは日本麻酔科学会から指定された方法で暗号化されています。設定ファイルCONF\dircnf.txtのjsa_crypt_key句を削除すると、データは平文で出力されます(デバッグ用)。その際には患者個人情報は読める形でファイルに書き出されます。取り扱いにご注意ください。

 予定表


AccessやFileMaker、Excelなどで、CSV形式の手術予定表を作っておいて、そこから患者属性情報などをpaperChartソフトに読み込むことができます。この動作も「モニタ開始」してから行ってください。

次は「編集メニュー」についての説明です。→

 文書の著作権について

マニュアルカテゴリーの本記事の内容については、越川先生のお作りになられたpaperChartマニュアルをPDFの媒体からwebへ記述変更させていただいているため、本記事内文書の著作権は越川先生にあります。
詳しくはこちらにも記載しています⇒https://gabunomi.info/pdf_manual/
(出典元:paperChart.net)

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