事例：
麻酔モニタ画面では、「末梢」欄の右端に輸液トータル量が表示されるが、印刷時の２枚目（サマリーページ）には総輸液量の項目のみで数値が表示されない。
考え方：
サマリページは、CONF/txtcnf.txtで記述されている。
サマリーページに指定された項目の文字列と変数を表示するための記述として、オリジナルでは以下のようになっている。
y = 910;
x = 450;
text = “酸素量 = ” “$(酸素使用量)L”;
text = “笑気量 = ” “$(笑気使用量)L”;
text = “セボ量 = ” “$(ｾﾎﾞﾌﾙﾚﾝ使用量)ml”;
text = “イソ量 = ” “$(ｲｿﾌﾙﾚﾝ使用量)ml”;
text = “ｱﾙﾁﾊﾞ量= ” “$(ｱﾙﾁﾊﾞ使用量mg)mg”;
text = “ﾌｪﾝﾀ量 = ” “$(ﾌｪﾝﾀ使用量ml)ml原液”;
text = “塩ﾓﾋ量 = ” “$(塩ﾓﾋ使用量ml)ml原液”;
text = “輸液量 = ” “$(総輸液量)ml” ;
text = “晶質液 = ” “$(総晶質液量)ml” ;
text = “膠質液 = ” “$(総膠質液量)ml” ;
text = “輸血量 = ” “$(総輸血量)ml” ;
text = “出血量 = ” “$(総出血量)ml” ;
text = “尿量 = ” “$(総尿量)ml” ;
text = “ﾎﾟﾝﾌﾟ前輸液量 = ” “$(ﾎﾟﾝﾌﾟ前輸液量)ml” ;
text = “ﾎﾟﾝﾌﾟ後輸液量 = ” “$(ﾎﾟﾝﾌﾟ後輸液量)ml” ;
text = “ﾎﾟﾝﾌﾟ前尿量 = ” “$(ﾎﾟﾝﾌﾟ前尿量)ml” ;
text = “ﾎﾟﾝﾌﾟ後尿量 = ” “$(ﾎﾟﾝﾌﾟ後尿量)ml” ;
総輸液量の値がどのようになっているかを、左上メニュータブの「ご案内とヘルプ」→「計算値一覧」で確認することができる。
サマリーページに表示される総輸液量の値はここの数値。
下の画像は、デモデータにて適当に「BC（晶質液）500ml」と「グリセオール（膠質液）500ml」で合計1000mlとなるようにわかりやすく入力したもの。
$(総輸液量) はCONF/iocnf.txtで定義されている。
オリジナルでは
総晶質液量値 = groupVolume (‘晶質液’) +
groupVolume (‘漿質液’) ;
ﾎﾟﾝﾌﾟ前晶質液量値 = groupVolume (‘晶質液’, 記録開始秒, 部分体外循環終了秒) +
groupVolume (‘漿質液’, 記録開始秒, 部分体外循環終了秒);
ﾎﾟﾝﾌﾟ後晶質液量値 = groupVolume (‘晶質液’, 部分体外循環開始秒, 記録終了秒) +
groupVolume (‘漿質液’, 部分体外循環開始秒, 記録終了秒) ;
総膠質液量値 = groupVolume (‘膠質液’) ;
ﾎﾟﾝﾌﾟ前膠質液量値 = groupVolume (‘膠質液’, 記録開始秒, 部分体外循環終了秒) ;
ﾎﾟﾝﾌﾟ後膠質液量値 = groupVolume (‘膠質液’, 部分体外循環開始秒, 記録終了秒) ;
総輸液量値 = 総晶質液量値 + 総膠質液量値 ;
ﾎﾟﾝﾌﾟ前輸液量値 = ﾎﾟﾝﾌﾟ前晶質液量値 + ﾎﾟﾝﾌﾟ前膠質液量値 ;
ﾎﾟﾝﾌﾟ後輸液量値 = ﾎﾟﾝﾌﾟ後晶質液量値 + ﾎﾟﾝﾌﾟ後膠質液量値 ;
総晶質液量 = 総晶質液量値 $ ‘ #’ ;
総膠質液量 = 総膠質液量値 $ ‘ #’ ;
総輸液量 = 総輸液量値 $ ‘ #’ ;
このような記述となっている。
輸液には晶質液と膠質液があって、それぞれの合計と総合計を求めている。
groupVolume(‘晶質液’) と記載されている部分が’晶質液’というグループの輸液を合計したものであり、groupVolume(‘膠質液’) と記載されている部分が’膠質液’というグループの輸液を合計したものである。
つまり総輸液量は、晶質液に属する輸液と膠質液に属する輸液をそれぞれgroupVolume()した結果の合計となる！
原因：
以上を踏まえて考えられる原因としては、
１）総輸液量の定義やgroupVolume()の記述を変更、つまり書き換えを行った際の記述ミス
もしくは、
２）登録されている輸液製剤が晶質液として定義されていない。
本件は比較的導入したばかりのクライアント様だったため、おそらく２）であると推測。
Me.exeでの薬剤新規登録時のグルーピング指定忘れと思われるが、デフォルトの薬剤は元々定義（グルーピング）済みである。
なお、今回はデフォルト薬剤はほとんど使用せず、９割方の薬剤をクライアント側で新たに登録していた。
解決方法：
Me.exeにて薬剤登録の内容を再度確認、やはりグルーピングしていなかった(輸液/輸血フォルダ内の薬剤は全て)ため、グループ指定後はサマリーページにて無事に輸液総量が表示された。
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